電気ヒーター

部屋全体を素早く暖めるなら石油ファンヒーター

床暖房装置のような特別な暖房方法以外で、簡単に部屋全体を暖めるなら石油ファンヒーターかエアコンが最適です。
他のページに書いているように電気ヒーターは経済的に部屋全体を暖めるのには不向きです。
電気ヒーターの使用経費と同じ経費で、石油ファンヒーターやエアコンなら数倍の暖房効果を得ることができます。

石油ファンヒーターの長所

石油ファンヒーターは、エアコンに比べるとスイッチを入れてから部屋が温まるまでの時間が早い。
エアコンは上から暖かい空気が吹き出されるので、部屋の温度は設定温度になっているのに、足元は暖かく感じないことがありますが、石油ファンヒーターは下から暖かい空気が吹き出されるので足元が冷えるようなことがありません。

石油ファンヒーターの電気代(消費電力)

石油ファンヒーターは、点火する時に少し電気を多く使うくらいで、後はほとんどがファンを回すために電気を使うだけなので、消費電力は扇風機(数W〜数10W=1か月でも数10円〜数100円程度)より少し高くなるくらいで、あまり変わりません。
その代わりに灯油を使うので灯油代がかかります。
同じような設定温度で、エアコンと石油ファンヒーターに使う経費を比べた場合は、 1か月使用すると石油ファンヒーターのほうが1000円くらい高くなるという試算もありますが、 エアコンは外気温によって効率がかなり変化するし、灯油の価格も変動するので、 一概にどちらが経済的とは言えないようです。
私は使い心地がいいので石油ファンヒーターを使っています。

石油ファンヒーターのメーカー

石油ファンヒーターのメーカーは、2018年・現在はコロナ、ダイニチ、トヨトミ、アラジンの4社のみのようです。
過去にはパナソニック(ナショナル)、三菱、シャープなども生産していました。
アラジンはイギリスのメーカーで、遠赤外線を放出する部品付きの石油ファンヒーターなどを販売しています。
メーカーによって点火・燃焼方式が異なっていて、ダイニチはブンゼン式、コロナはポンプ噴霧式、トヨトミはポット式。
ブンゼン方式は灯油を暖めて混合ガスを生成するので、着火が早いが、他の方式より電気代が少し高くなるようです。
それぞれに長所・短所があるので、どの方式が良いとは一概に言えません。
●各メーカーの口コミによる特徴
コロナの石油ファンヒーター
着火には時間がかかるが、音が静かで運転消費電力も少ない。

ダイニチの石油ファンヒーター
点火が早いが燃焼音が大きめで、着火後の運転時の消費電力が大きい。

トヨトミの石油ファンヒーター
故障しにくい、古い灯油でも使用できる。消費電力が少ない。点火・消火時に3社の中では一番石油の匂いがする。

●点火のはやさ
1位 ダイニチ 40秒
2位 コロナ  75秒(2015年製までは150秒でしたが、2016年製から75秒になりました。秒速点火機能もあり)
3位 トヨトミ 150秒(消臭点火を切れば90秒)

石油ファンヒーターの選び方

石油ファンヒーターは、メーカーの採用している燃焼方式によって特徴が異なるので、 使用目的にあったものを選ぶことをお勧めします。

キッチンや脱衣所などで使うなら
ちょくちょく点火、消化を繰り返す場所や点けている時間の短い場所で使用する場合は、 点火が速いダイニチの石油ファンヒーターがお勧めです。電気代が他のメーカーよりもちょと高くつくけど短時間であればわずかなものです。

リビングルーム・居間で長時間使うなら
音が静かで電気代の安いコロナやトヨトミの石油ファンヒーターがお勧めです。

朝起きるときに部屋を暖めておきたいなら。
1位 コロナ
2位 トヨトミ
3位 ダイニチ
ダイニチの石油ファンヒーターは、点火・消火時にバチンとけっこう大きな音がするので、タイマーで寝起きに点けておくには不向きです。逆に目覚まし時計替わりに使用するという手もありますが・・。
寝室で使うなら、臭いに敏感な人はトヨトミの製品よりもコロナの製品を選んでおいた方が無難です。

静音性を重視するなら
トヨトミ 〇
コロナ  〇
ダイニチ △
静音性を重視する場合は、利用する部屋の広さに対して暖房出力に余裕のある製品を選ぶのが重要です。
(例えば、6畳間で使うなら和室7畳や9畳までのものでなく、和室10畳や11畳までのもの)
軽自動車が大型車や普通車よりも音が大きいのと同じで、暖房出力に余裕がないと強〜中燃焼が主になって静音運転になりません。
強〜中燃焼時は、どこのメーカーでもある程度の音はしますが、中〜弱燃焼では燃焼方式よって多少ちがいがあります。
暖房出力3.2KWの製品の騒音を例にすると、
トヨトミの製品は 34dB/18dB(最大燃焼時/最小燃焼時)
コロナの製品は 35dB/21dB(強/弱)
ダイニチの製品は 35dB/24dB(強/弱)
ダイニチの石油ファンヒーターは、点火・消火時にバチンとけっこう大きな音がするのと、強〜中燃焼時は高めの燃焼のゴーという音だけでなく、ノズルからガスが噴き出すシャーという音もありますが、中〜弱燃焼になるとノズルからガスが噴き出す音も小さくなるので、それほど気にはなりません。
コロナの石油ファンヒーターは、強〜中燃焼時の燃焼のゴーという音はダイニチよりも音の高さが低めで、弱燃焼時はサーキュレーターを併用していると、点いているのか止まっているのかわからないくらいです。
ただし、モーター音と思われるンーという蚊の羽音のような音がするものもあるようです。(私の所有しているものだけかもしれません)
トヨトミの石油ファンヒーターは、3社の中では一番音が静かですが、はずれの製品に当たると、空気不足になるとポーという汽笛のような共鳴音が鳴ることがあるようです。

風量で選ぶなら
1位 コロナ
2位 ダイニチ
3位 トヨトミ
3社の中では、コロナの石油ファンヒーターが一番風量があるようです。また、温風の吹き出しが少し下向きなので一番遠くまで温風が届きます。
ダイニチの石油ファンヒーターは、コロナより少し風量が少なめで、温風の吹き出が床とほぼ平行なようです。
トヨトミの石油ファンヒーターは、風量が少ないというレビューがけっこうあるようです。燃焼方式による制約があるのでしょうか?
風量が少なくて温風がすぐに上に行く場合は、サーキュレーターや壁掛けファンを使用することで解消できます。

メンテナンスのしやすさで選ぶなら
1位 トヨトミ
2位 コロナ
3位 ダイニチ
トヨトミの石油ファンヒーターは、灯油の質にそれほど敏感ではなく、昨年の余った灯油も使えます。
コロナの石油ファンヒーターは、昨年の余った灯油は使えませんが、シーズンの最後に石油ファンヒーターのタンクの灯油が空になるまで燃やして置けば、灯油による故障はあまりないようです。
ダイニチの石油ファンヒーターは変質灯油は厳禁なので、シーズンの終わりにタンクを空にするだけでなく、石油ファンヒーターに残っている灯油も取り除いておく必要があります。変質灯油を使うとバーナーノズルが詰まるなどの故障が、起きやすいようです。

消費電力・電気代で選ぶなら
1位 トヨトミ
2位 コロナ
3位 ダイニチ
暖房出力3.2KWの製品の消費電力を例にすると、
トヨトミは、燃焼時:11W / 点火時:320W
コロナは、燃焼時:20W / 点火時:650W
ダイニチは、燃焼時:98W〜52W / 点火時:390W
点火時の消費電力は短時間なので、頻繁に点火・消火をしなければ大したことはありません。

移動のしやすさで選ぶなら
暖房出力3.2KWの製品の消費電力を例にすると、
1位 ダイニチ 7.4kg
2位 トヨトミ 7.7kg
3位 コロナ 8.8kg
頻繁に移動したり向きを変える場合は、ファンヒーターキャリーのようなものを使うと楽に移動できます。

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コロナの石油ファンヒーター

ダイニチの石油ファンヒーター

トヨトミの石油ファンヒーター



石油ファンヒーターの燃費

石油ファンヒーターは、灯油を燃やした量が暖かさに比例するので、基本的にはメーカーによる燃費の差はありません。
しかし、同じ設定温度にしても設置している場所や温風の吹き出し量や角度によって、部屋の上部ばかりが暖かくなったりする場合は、 天井付近は設定温度を超えていても石油ファンヒーターの近くの温度が設定温度以下になるので、 弱燃焼にならずに灯油をたくさん使うことになり、結果的に燃費が悪くなります。
サーキュレーターや壁掛けファンを使用して部屋の温度を均一にすれば、無駄な燃料の消費を抑えることができます。
どんな石油ファンヒータを使っても最終的には暖かい空気が上にたまるので、サーキュレーターや壁掛けファンを併用すれば、 燃費を改善することができます。
また、窓の断熱対策をすればもっと燃費をよくできます。

石油ファンヒーターによる室内空気汚染

石油ファンヒーターを使用すると、ごくわずかな窒素酸化物や揮発性有機化合物(VOC)が発生します。
2007年10月に国民生活センターが公表した資料によると、
燃焼中の二酸化窒素濃度は、コロナ製が1.3ppm,ダイニチが製0.8ppm,トヨトミ製が0.6ppmとなっています。
この数字だけを見るとコロナとトヨトミでは2倍の差がありますが、単位がppmなので百万分の1.3と百万分の0.6と言うことなので、その差は百万分の0.7ということです。
百万分の0.7の差ってどうなのでしょう?差があるような、ないような・・
反対に揮発性有機化合物(VOC)はトヨトミ製が一番多くなっています。
いずれにしても1時間に1回換気をすれば、もっと低く抑えられるようなので、あまり気にする必要はないでしょう。
1時間に1回の換気は面倒だという人は、部屋の対角線状の窓や扉の2か所を1cmくらい開けておくのも効果的です。

石油ファンヒーターの故障の原因と対策

1.石油ファンヒーターの故障で一番多いのは、フレームロッド(不完全燃焼検知棒)や点火プラグ(点火棒)に シリコンが付着して、システムが不完全燃焼と誤判断して止まったり、点火できなくなる故障です。
この対策は、石油ファンヒーターを使用している部屋でのシリコンを発生させる製品を使用しないようにするしかありません。
シリコンを使っている商品の例
・化粧品類(石油ファンヒーターある部屋で髪を乾かさないなど)
ヘアートリートメント全般、ムース、枝毛コート剤、保湿用化粧液、ハンドクリーム等
・衣類関係(石油ファンヒーターある部屋で選択した衣類を乾かさないなど)
撥水剤、柔軟剤、防水スプレー、アイロン用スプレー、静電気防止剤、しわ伸ばし剤等

石油ファンヒーターの温風吹き出し口が白くなる場合は要注意です。

シリコンが原因で止まったり、点火できなくなる故障は、石油ファンヒーターを分解してフレームロッドや点火プラグに付着しているシリコンをやすりなどでそぎ落とせば、なおることが多いようですが、分解は自己責任で・・。

2.変質灯油の使用による各部の目詰まりによる故障
変質灯油を使用してフィルターが目詰まりして、灯油が流れなくなり動かなくなることがあります。
この場合は、取扱説明書の通りにフィルターの掃除をすれば、なおることが多いようですが、 ダイニチの石油ファンヒーターは、ガスの噴射ノズルまで変質灯油に侵されるとフィルターの掃除だけはなおりません。
この場合は修理に出す必要があります。

3.過熱防止装置が働いて停止
空気取り入れ口にほこりが溜まって過熱防止装置が働く場合があります。
この場合は、空気取り入れ口を掃除すれば、ほとんどの場合は治りますが、掃除しても治らない場合は他の原因の可能性があります。

石油ファンヒーターの寿命

石油ファンヒーターは、点火・燃焼する箇所が故障することが多いようです。
使用頻度や手入れによって違ってくるので、寿命は一概には言えませんが、メーカーの部品保管期間が6年のようなので、 目安として6〜8年くらいのようです。
8年以上たって故障した場合は、修理するよりも寿命と考えて買い替えた方が良さそうです。

ちなみに、7,8年使っている家の石油ファンヒーターも故障しそうです。
以前は余熱しなくても点火できていたのに、余熱しないと点火できなくなり、最近は余熱しても点火できない時があります。
今シーズンいっぱいまでもってくれると良いのですが・・・。
分解して、点火装置を掃除すると治ることもあるようですが、壊してしまいそうなので止めておきます。

石油ファンヒーターと加湿器

石油ファンヒーターを使うと水蒸気も出るので、一般的には石油ファンヒーターを使用する場合は、 加湿器は必要ありません。
下手に石油ファンヒーターと加湿器を同時に使うと、カビが生えることもあります。
だだし、部屋の条件によっては乾燥気味になることもあるので、湿度計で計測してみることをお勧めします。

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